2023年12月31日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
マタイの福音書2章12節~23節 「ナザレのイエス」
1. 博士来訪の後
博士たちの訪問の後、彼らは夢でヘロデのところへ戻らないようにと警告されます。さらにヨセフにも「ヘロデがこの幼子を捜し出して殺そうとしています」と告げられます。救い主、真の王としてこの世界に与えられた方を、権力者が殺そうとしていました。み使いの知らせを聞いたヨセフはすぐに行動し、その夜のうちに幼子とマリアを連れてエジプトに逃れました。このことは、旧約聖書にも明らかにされていたことだとマタイは記しています。
2. ヘロデによる悲劇
ベツレヘム周辺一帯では、二歳以下の男の子がヘロデの命により殺されてしまいます。博士たちによってもたらされた喜びの知らせが引き金になり、悲劇が起ってしまいました。なぜこのようなことが起きてしまったのか、そう思わず口に出してしまいます。しかし、その事実を聖書は言い逃れせずに語っています。確かにこれはイエスが誕生したことによって起きた悲劇です。しかし、それは人の罪深さゆえに起こった出来事です。時の権力は、人の罪の強大さを時に示します。今、私たちは世界で起きている現実に対して無力さを感じています。ここで起きた出来事も、それは今私たちが感じるものと通じているものだと言えるでしょう。そのような世界にイエスは来られたのです。聖書は嘆きと闇が地にあることに触れています。しかし、その闇を変える光となられた方、それが主イエス・キリストなのです。
3. ナザレのイエス
救い主の誕生の結びとして、マタイは「彼はナザレ人と呼ばれる」と書いています。「ナザレ」の語源は、「ネツァール(若枝、新芽)」です。これはイザヤ書11:1 「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ」とつながっています。地には絶えず苦難が繰り返されています。しかし、この地に実りをもたらす若枝なる救い主は来られたのです。新しい年も、この方とともに歩んでまいりましょう。
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