2023年3月26日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
へブル人への手紙7章1節~10節 「とこしえの祭司」
1. メルキゼデク
イエスとメルキゼデクを結び付ける基礎となる箇所は詩篇110篇です。ダビデ王がメシアに関して預言した詩篇だと言われ、そう受け止められていました。そこには救い主が敵を打ち破り、王に即位し、そして永遠の祭司となるという内容が歌われています。この人物こそイエスであると教会は受け止め、信じてきました。ここで創世記のメルキゼデクの箇所をさらに考察しています。メルキゼデクの名前から義の王、平和の王であることを確認しています。メルキゼデクは神の祭司として登場し、戦いに勝利したアブラハムを出迎え、そして祝福しました。ここでさらに「祭司職」について考察しています。ユダヤの祭司は、レビ族が担っていました。彼らは土地を所有せず、他の部族からのささげものによって報酬を得ていました。メルキゼデクはその祭司の原型です。けれどもメルキゼデクはレビ族とは根本的に違いました。聖書では、メルキゼデクの出生や部族について何も触れられていません。ですから次のように結論します。「彼は神の子に似た者とされ、いつまでも祭司としてとどまっている。」さらにメルキゼデクがいかに偉大かを確認しています。
2. メルキゼデクとレビ
さらにレビ人とメルキゼデクとが比較されています。「メルキゼデクがアブラハムを祝福した時は父の腰の中にいた」ということの意味は、メルキゼデクの時代にはまだレビ人は存在せず、レビ人はアブラハムの末裔であるという意味です。メルキゼデクはユダヤ人たちが生まれる前から存在する偉大な祭司であり、何より神が定めた永遠の祭司なのです。この手紙が語っているのは、この偉大な祭司メルキゼデクを越える大祭司こそイエス・キリストであるということです。この方こそ神が定めた永遠の大祭司としてその職務に就いているのです。
3. 大祭司の祈り
この事実はどれほど私たちを勇気づけ、支えるものとなるでしょうか。主イエスはいついかなる時でも、あなたのために祈っておられます。一人一人の名を呼び、祈ってくださっているのです。信仰の秘訣は、より信心深くなることではなく、大祭司イエスにある慰めと励ましが今あることをより深く覚えることにあります。大祭司イエスの祈りが今も祈られていることを私たちは忘れてはなりません。
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