2023年5月28日の礼拝メッセージの要約です。説教者:倉嶋新
へブル人への手紙9章15節~22節 「あなたのための犠牲」
1. 贖い
イエス・キリストは新しい契約の仲介者です。聖書は、信仰を「契約」という概念で説明し、そして保証をします。ですから、この契約に同意するか、しないか、そのことが問われます。この契約の仲介者として立てられているのが、イエス・キリストです。初めの契約は、モーセの時代に神とイスラエルとの間で交わされました。この契約に違反し、その結果イスラエルは国を失い、捕らわれ、再び自由を失います。そしてその状態から人々を贖い出すためにイエスが遣わされ、そして新しい契約が結ばれました。この贖いには血が流されます。それは聖書の教える「いのちの法則」のゆえです。神に与えられた人間のいのちは、神に逆らうものとなり、死と結ばれました。しかし、イエスによってそこからの「贖い」が実行されました。そして新しいいのちが与えられます。それが、聖書が力強く語り続けている希望です。この贖いゆえに、私たちは罪赦され、神の子とされます。そして、神の子とされているゆえに、後に来る神の国の「相続人」でもあるのです。その保証が、あの十字架のキリストの流された血にある、これが新しい契約の確かさとして提示されているのです。
2. 相続の契約
ここで急に「遺言」という言葉が出て来ます。この箇所で「契約」と「遺言」は、同じ言葉が使われています。これは「相続に関する契約」だからです。ですから、相続に関する契約の引継ぎには、その前の契約者が死んだことの証明が必要です。その意味でも、イエスの十字架は契約の確かな印と言えるでしょう。重要なことは、私たちが新しい契約のもと、神の子とされているということです。それは、私たちも主イエスと同じように取り扱われるということに他なりません。キリストに与えられた特権が私たちにも与えられるのです。
3. 私のための犠牲
続けて、初めの契約でも血が流されていることが改めて語られています。契約の血が語っていることは、すべて私たちのために犠牲が払われているということです。私たち自身の血ではありません。重要なことは、他の誰でもなく、あなたのために犠牲が払われたということにあります。あなたにも罪があります。あなたには神を神とできない罪があり、あなたは日々、神のものを盗んでいると聖書は語ります。それゆえに、十字架で血が流されました。それは、他ならないあなたのためであり、私のためなのです。
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